競売の流れとメリット・デメリットについて解説

コロナ禍や物価高騰の影響により、住宅ローンを滞納する方が増えています。
住宅ローンの滞納が続くと、いずれは競売にかけられてしまいます。
住宅ローン返済が厳しいと感じる方やすでに滞納している方の中には
「競売の仕組みやリスクがわからない」「競売の仕組みが知りたい」など、気になる方もいると思います。
今回は、競売の仕組みや公売との違い、競売の流れ、競売のメリット・デメリットについて解説します。

目次

そもそも競売とは?

住宅ローンの滞納が続き、借入先の金融機関が債務者の​​土地や建物に対し、裁判所に
競売を申し立てることです。「けいばい」または「きょうばい」とも呼ばれています。

通常、住宅ローンを組む際に金融機関が債務者の土地や建物に抵当権を設定します。

住宅ローンの返済を滞納すると、民事執行法に基づき、
債務者の土地や建物に競売にかけ、住宅ローンの返済に充てるのです。

裁判所が競売の申し立てを受理すると、「平成○○年(ケ)第◇◇号」という事件と
事件番号を付けて担保不動産競売を進めていきます。

競売については、不動産競売物件情報サイト(BIT)に情報が公開されます。

競売と公売の違い

公売は、国税徴収法に基づき、国税局や地方自治体などがが税金の徴収を目的として、
不動産や車などを差し押さえ、強制的に売却して税金を回収する仕組みです。

最近では、インターネット公売も増えています。

公売は、国税局や自治体が独自に情報を公開します。

競売の流れ

ここでは、競売の一般的な流れについて説明いたします。

STEP
金融機関から督促状が届く

住宅ローンの滞納が1ヶ月〜5ヶ月ぐらい続くと、金融機関から督促状が届きます。
場合によっては、支払い請求書が届くこともあります。

STEP
期限の利益喪失(滞納から約6ヶ月)

住宅ローンの滞納から約6ヶ月を経過すると「期限の利益」を喪失してしまい、一括返済を求められます。
つまり、分割支払いができなくなるのです。期限の利益の喪失とは、期限の利益がなくなり、遅延損害金も含めて一括返済を求められるということです。

STEP
代位弁済通知(滞納から約7ヶ月)

住宅ローンの滞納から7ヶ月を経過すると、保証会社から代位弁済通知が届きます。
保険会社が債務者の代わりに一括返済したことを知らせる通知です。
通知書が送られた後は、債権者が金融機関から保証会社に変わります。

STEP
差し押さえ通知(滞納から約8ヶ月)

住宅ローンの滞納から8ヶ月が経過すると、裁判所から差し押さえ通知が届きます。
債権者によっては、差押えの申立てを行う前に「差押事前通知書」や「差押予告通知書」などを通知することがあります。

STEP
競売開始決定通知が届く(滞納から約9ヶ月)

裁判所から債務者の物件が競売にかけられることを示す競売開始決定通知が届きます。
競売開始の直前ということを知らせる通知です。

STEP
現況調査(滞納から約10ヶ月)

住宅ローンの滞納から10ヶ月を経過すると、裁判所の執行官が競売物件の調査を行います。
物件の状況や権利関係を確認し、売却価格を算出する目的として現況調査報告書 を作成します。

STEP
開札日の通知

滞納から約1年経過すると、入札期間と落札者の決定が知らされます。
なお,競売の取下げをするためには、開札期日の前日までに執行裁判所に対し取下書を提出する必要があります。

競売のメリット・デメリット

競売のメリット・デメリットについて簡単に説明いたします。

競売のメリット

競売は債権者・裁判所が主導して手続きを進めていくので、売却の手間がかからないことがメリットといえます。
また、競売で物件を売却すると滞納していた住宅ローンの返済に充てられます。

競売のデメリット

競売では、市場価格より安く売却される可能性があるということです。
一般的には相場の6〜8割程度で売却されます。

物件情報が裁判所やインターネット上に公開されるため、
プライバシーの確保が難しいといったデメリットもあります。
不動産会社や入札希望者が自宅を見に来たりすることがあるので
近隣に競売のことを知られてしまうことがあります。

また、落札後は強制的に追い出されるため、引越し費用などがかかります。

まとめ

住宅ローンの滞納から約6ヶ月を経過すると「期限の利益」を喪失してしまい、一括返済を求められます。
さらに滞納を続けることで、いずれ住んでいる家が競売にかけられ強制的に退去させられます。

上記のような競売の流れを理解した上で、競売のメリット・デメリット
をしっかり理解しておきましょう。

一方、債権者の合意があれば任意売却という選択肢もあります。
任売売却は競売に比べると高額で売却される傾向があり
自分のペースで売却できるのでスケジュールが把握しやすく安心です。
競売にかけられるかどうか不安を抱えている方は、一度
任意売却の専門家である弁護士や不動産会社に相談するのも一つの方法です。

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